ヨーロッパ選手権サッカーが面白い。もともと、ワールドカップよりもレベルが高いといわれてきたが、今回も期待に違わぬ好試合が続いている。
その中で、ひいきのイングランドががんばっている。チーム状態がとても良い。ルーニーというストライカーに注目が集まっているが、イングランドは伝統的にストライカーは優秀なので、驚くほどのことではない(キーガン、ブルッキング、リネカー、シアラー、オーウエン)。それよりも、中盤の攻守のバランスがとても良い。トッティやジダンのようなスーパープレイヤーはいないのだが、パスワークは軽快で守備にはいるときのバランス、ファウルをせずに一対一でボ=ルを奪う技術、アタックのスピードなど、今大会では随一である(他のチームはいずれかのバランスが悪い。典型的には、フランスやポルトガルの中盤の守備のまずさがある)。ホームのポルトガルと応援団の強いイングランド。準々決勝屈指の好カードだ。ポルトガルは攻撃の組み立てが強み。イングランドはバランスのよさだ。ポルトガルの弱点は決定力がなく、シュートミスが多すぎること。イングランドは、意外に精神的にもろく、得点した後とかにあっさり失点しやすい。
これまでに、フランス対イングランド、オランダ対チェコ、スウエーデン対デンマーク、スペイン対ポルトガルなどは本当にいい試合だった。スリリングで技術が高く、テンポが良い。逆に、イタリアは本当につまらない試合の連続で、予選敗退も当然だろう。82年のワールドカップでは勝無しでも2次リーグ進出、尻上がりに調子をあげて優勝している。が、勝点3制になり、1980年代に比べて圧倒的に攻撃的になった現代サッカーにはこのような戦術は通用しない。2002年ワールドカップのアルゼンチンなどもこのような「旧い」ギアのあげ方で失敗した(98年には日本など弱小国相手に成功したけれど)。ギリシアやデンマークなど、かつての弱小国もずいぶんレベルをあげており、楽勝できるチームはなくなっている。旧いパラダイム、予選の戦い方を根本的に改めるべきだろう。
三谷幸喜が好きである。その、三谷が目標とするビリーワイルダーの映画。ヘプバーンとボガードという豪華な出演陣と巧みな会話が楽しい。衛星放送で、久しぶりに見た。
会話の楽しさと登場人物の個性を活かす、という作業は最近の映画では難しくなっている。三谷幸喜はそれができる稀有な演出家で、「12人のやさしい日本人、、、」のような複数の登場人物がすべて魅力的で個性的、というのは彼がずば抜けている。現在のドラマの人物描写がほとんど単調なのを見ると、これは素晴らしい。会話の面白さは、さらに素晴らしい。だから、私は「新撰組!」も大好きだ。個々の隊員をあれだけ上手く同時に描写したのは、司馬遼太郎の新鮮組血風禄でもできなかった。
淡々として、出てくる人物がいずれもスーパーマンではなく、挫折を乗り越えての喜び。できの悪いアメリカ映画と紙一重のプロットだが、実話である、ということと抑えた演出、撮影でとても後味のいい映画になった。動物に学んだ、、、、という最後の台詞もなっとくがいく。
宮崎、高畑コンビによる映画。集団生活や共同体、合唱といった古い古い価値観満載なものの、それも今の目にはなんとなく新鮮で嫌味ではない。各所に、後にコナンやルパンで見られるアクションがあり、、、最近の宮崎映画では見なくなったのが寂しいが、、、、、、、
一作目に劣らぬ面白さ。パロディーが多かったが、昔のカンフー映画へのオマージュが特に印象的。
今回はアクションシーンがすくなめになり、強烈に強かった第一作からとたんにショットガンひとつでやられてしまう展開で驚かせる。この地味さが、本当のタランティーノの面白さかもしれない。ビルも化け物のような大物ボスではなく、最後はダイアログで見せるところも良い。